SNSなどのオープンソーシャルを使って、それで認証したユーザアカウントでやるソーシャルゲームという分類ができてきてる。mixiアプリもそうだし、注目されてて景気いい分野のように見える。ソーシャルゲームというのはつまりソーシャルアプリの一分野で、だから、昨日や明日の私を知る人たちと、互いのプロフィールを明らかにしながら交流・活用するゲームってことだとして以下。
私はソーシャルゲームについて、いまひとつ「これはいい」と感じてこなかったので、改めてなぜだか考えてみる。
自分のハラオチしている感覚からだけ書くとこういうことなのだ。自分がインターネット上で人と交流するとき、行動モードに２種類ある。ひとつは、リアルの人間関係の延長としてWebを使う場合。もうひとつは、匿名性を持つひとつのアカウントとしてWebを楽しむ場合。
- リアルの人間関係の延長でWebを使うときは、公式自分とでもいうか、ブログや日記を書くにしても「昨日や明日の私を知る人が読む」ことを含めて内容を作る。わざわざゲームを使ってあいまいに交流する必要性を感じない。たとえば知人に贈り物をしたかったら、モノや本や役立つ情報を贈ろうと考えるわけで、友人のアバターにアクセサリーをあげようとは思わない。もっといえば、たとえば私がソーシャルゲームで毎日こまめにバーチャル野菜を育てていたとして、それを見た仕事での知人は仕事人としての私をどう評価するだろうか、プラスに傾くことははたして多いだろうか？
- じゃあ匿名性のあるアカウントで、いわばゆるくWebを楽しもうとしてるときならどうか。ぶっちゃけてしまえば、ソーシャル、うざい。しがらみのない、昨日や明日の私のことなど知らない人との交流は気分転換や刺激になりえるが、こっちでまた人間関係構築してどうするんだと感じる。そういうコストは、リアルにかけたいと思う。だからゲームをやるなら、ソーシャルじゃないものをやる。
（ここで私と別の選択をする人のことを想像する。ネット上でだけの、ある程度の匿名性を保ったうえでの人間関係を継続したい人もいそうだ。たとえばリアル人間関係が思わしくない場合や、リアルに表出させたくない個性あり、ネットでは発揮できるなどの場合か。そんなとき、匿名性のある人間関係が生活、おもにメンタル面のバランスにプラスになることはあると思う。そういう人にとっては、ソーシャルゲームは適切なのかもしれない。そのような人はどのくらい存在するのだろうか…その層が多い世の中ってなんだかこわいような気がするが。
そしてもうひとつの可能性を書き落としていたのでこの段落追記。「公式自分」として、ゆるい自分を表出する場合。目的意識よりは、楽しい交流の仲間探しのような感覚でWebにプロフィールを載せているような状況だったら、ソーシャルゲームは適切なツールかもしれない。学生や主婦や、Web系IT以外の仕事を持つ人が余暇でWebアクセスするパターンがありそう。この層に納得のいく楽しい課金サービスを提供するのが、今成功しているパターンなのかな。）
こう書いてみてわかった、私個人にとってソーシャルゲームは使う場面がなさそうだということ。じゃあ私にとって、個人向け、エンタメ系ソーシャルアプリは全滅なのか？…それも極端な気がする。
どういうエンタメ系ソーシャルアプリなら、個人的に使いたいか？
- 公式自分にふさわしい、なにか、前向きなものならいいかもしれない。ダイエットや節約、体操、エコ、ボランティアなどの活動履歴を書き込んで、知人と共有してはげましあったりとか（個人情報の流出には注意。たとえばダイエットなら体重を実際の値じゃなくて相対値で書くとか工夫はいりそう）。
- 公式自分の意外な一面をうまく演出してセルフブランディングに役立ってくれるもの。知人のを見るのも楽しいような。いまはなき mixi musicの、iPodで聞いている曲のログなんて良かったんだけどな。（あれのおかげで、当時、自分はマイルスデイビスとアニタオデイを聞いている割合がけっこう高いことを知った）お絵かきの共有もわりと良かった。仕事上で知り合った人の、手描き（マウスだけど）の絵というのは、知らなかった一面を教えてくれるので。
- 公式自分にふさわしい診断、レコメンドを楽しく見せてくれるもの。
…私の欲しいアプリの決めては「公式自分にふさわしい」ってことだ。この観点で作られているソーシャルアプリ、少ないんじゃないかな？それと、ユーザインタフェースがいいもの。とにかく何らか入力しなきゃ始まらないわけなので、そこに毎回時間をとられているのじゃ続かないし。表示もさっぱりしてて、かつ綺麗であってほしい。そういうソーシャルアプリあったら、愛用するし、よい情報保存や分析などしてくれるなら課金制であっても利用がありえると思う。
