ジャズボーカル 松田オリビア圭子

ジャズボーカル 松田オリビア圭子のブログです。主にスケジュールのご案内を掲載します。

対話はプロレス的

これは斎藤孝氏の本にあった言葉なんだけど。
相手の技を封じて勝つのではなく、
自分も相手も得意技を存分に引き出しあって、試合の中で
どれだけの成果を作れるかが重要という点で、
対話は他の対戦的スポーツよりも、プロレスに似ているということだ。


その成果というのは、パフォーマンスであれば、盛り上がりだろうし、
なにかの会議であれば、活用できる結果や論点の発見などだろう。
プロレスの方向性を意識しながら人と対話すると、
わくわくする快感がありながら、成果も多く生まれるようだ、というのがこれまでの実感。
対話の相手もこの方向性を認識してくれていればなおさら。


んで、ジャズという世界を知ってて、馴染んでいてよかったとも思った。
ジャズもかなりプロレス的だし。


っと、ここまでを日記に書いてた。続けてみる。


対話っていうと相手のコンディションも大事なんだけど、
プロレス的に考えるなら、盛り上がるには基本的には、双方が上々のコンディションで
のぞむのが理想的。そうじゃない場合どうするかが問題なんだけど、
たとえば片方が不調のときはもう片方のアプローチで、いい試合にできることもある。
でもそれも元気なほうの影響力やよい気分を伝播するスキル、
もう片方の不調の度合いや感受性や受け入れのスキル、が関わっていて、
うまく立ち上がることもあれば、ムリなときもあるわけだ
(状況によっては、不調が伝播してサイアク状態になる場合だってある)。


そういうときにはムリして対話を続けるよりは、いったん引き上げて個々に
コンディションを整え直して再挑戦するのがよさそうだ。
うまくいかなかった状況や、なによりも自分のコンディションに対して
暖かい目で(←ここ大事)直面し、最善の対策(休むべきか発散すべきか熟考すべきか、とか)
をとって次に備えるのがいいと思う。
不調をなかったことにしたり、コンディションを安易にコントロールできると自分を騙して
自分をがんばらせたりすると、ドツボにはまって、1回の対話をムダにするだけでなく、
近々生み出せたはずのいい時間を逃すことにもなりそう。


なんか長いな。
プロレスは、元気なときにやりましょう。
ということかもしれない。


とはいえ、別種の対話というものがあって、それは不調なときにこそ必要な種類のものだと思う。
コンディションを整えるための対話というべきかもしれない。

これの場合には、何かを生み出すためにくんづほぐれつ、というのでなく、
「猫でもいいから視線をもらう」という意味での、安全で協力的な相手に対峙して
自分自身の状態を掘り下げていき、解決すべき問題があるならばそれを把握する、また
力の源になっているような思いがあれば、それに再び触れる、というようなものだ。


これをひとりでやれるようになると、心が強くなる。
でも、ふたりでやれるならば、そのほうが進捗が早かったり、モチベーションが持続したりして
良いことが多い。相手によるけど、ひとりでするよりもずっとうまくできたりもありえるし、
やりかたを把握できてない人の場合には、相手の方法から学ぶこともあるだろうし。
(なんかエッチな表現だな。ま、いいや。)
この種類の対話、問題解決に向けて分岐木を書いては切り捨ててどんどん進む生産のための
対話とは違う、内省の対話とでもいうか、そのことについてのスキルというのは
まだあまり定型化していないし、ライフハックの中でも重要なのに、
ないことになっている分野のように私は感じている。